幼卒のブログ

幼卒です、でも院卒です。はい謙遜です。

甘いルージュ

 母曰く、幼少期の私は苺を食らうと風邪を引かなかったという。本当か.....?私は覚えていない。

 ショートケーキのてっぺんの苺を最後までキープしていたかと思えば、クリスマスケーキを作るためにボールいっぱいに用意された苺をつまみ食いし出して止まらず、半分以下の量になるまで食べてしまったこともある。間違いなく苺の季節の冬において、私の身体の大部分を苺が構成していることが考えられる。この点は小さいときから現在に至るまで変わらない。

 つい先日、用事がてら横浜に行ったついでに赤レンガ倉庫に寄った。目的は苺である。ストロベリーフェスティバルが開催されていた。苺だらけのここは天国か、地獄のような混雑っぷりだったけど。

苺の妖精みたいな服装のねこちゃんも連れて行った。苺の被り物で耳が完全に隠れていてねこなのか何なのかひと目見ただけでは判別できない。取り敢えず苺の妖精っぽい何かだ。

 奇しくも、この苺の被り物を購入した場所も、赤レンガ倉庫であった。内藤デザイン研究所のショップがあり、店員さんのお姉さんの前でボロボロのねこちゃんを出して試着をした瞬間が小っ恥ずかしかったのをよく覚えている。この被り物を買った後、DAISOで購入した苺柄プリントの生地を大胆に使ってドレスを作ってあげた。夏になる前のことだったと思う。しっかりシーズン外であった。

 

 ストロベリーフェスティバルの話題に戻ろう。

会場には苺を使った沢山のスイーツが大結集していた。定番のパフェやケーキ、またサンドウィッチや、スイーツ以外では苺のモチーフを使用した雑貨も販売されていた。

お店も人も数えきれない。何を食べようか迷いながらぐるっと一周、会場内を彷徨い歩いた。

 悩みに悩んで、最終的に、選ばれたのは苺でした。

スイーツを選ばず、素の苺を味わう。我ながらストイックなチョイスである。白い苺は淡雪、赤い苺はロイヤルクイーン。白い苺を、人生で初めて食らった瞬間であった。白い苺の甘さに気付くまでに、27年かかりました。

美味しすぎてついねこちゃんにもあーん、をしてしまった。既に開き直っているが、端から見たら私はヤバい奴なのかもしれない。もしねこちゃんがこの瞬間に、ワーイと喜んで苺を頬張ったら、私と同じように苺を味わい楽しんでいたら、この景色に完全に溶け込めたのだろうか。思い出すと、ふと切なさを感じてしまう。

 

 前述の内藤デザイン研究所のショップについて、苺を食べた後に倉庫内を覗いてみたけれどなくなっていた。閉店してしまったそうだ。寂しいが、苺の被り物を買った瞬間の思い出を噛み締めて、ねこちゃんはまた苺の妖精になるだろう。

 次の苺の季節にはねこちゃんと一緒にいちご狩りに行きたい。ねこちゃんは練乳係ね。