神奈川に帰省すると車の運転の練習を兼ねてよくドライブをする。普段はひとり暮らしで車を持たず、ペーパードライバーになってしまうことを危惧する父がドライブ(運転はほぼ私)に誘ってくれる。
お気に入りの道路は国道134号線、海をチラッと眺めながら前の車にぶつからないようちょっとずつブレーキを踏みながら運転をするあの時間が大好きだ。また、母校の高校の最寄り駅を横に通り過ぎる瞬間も非常に感慨深い。高校生だった時はいつもあの駅で江ノ電を待っていた。時が経過し、既に高校を卒業したが、あの電車の車窓より眺めていた海沿いの道を自身で運転している。波立つ海はあの時と変わらない。
先日のGWも普段の帰省時と同様に、お気に入りの海沿いを運転した。七里ガ浜のBillsでパンケーキを食べたかった。パンケーキを食べたくば自ら運転すべし、これが我が家の方針である。しかし、走りながらその願望は無念にも散った。GW故に、車を走らせながら遠目で見て分かるくらいの長い行列が形成されていた。Billsは建物の2階にあるが、その2階からずっと列を成しており、相当な長さであると容易に推測できた。瞬時にパンケーキは無理と判断してそのままBillsを通過し、鎌倉方面へ更に走り続けた。
鎌倉に到着して車を停め、踏切を越えて御成方面へポテポテ歩いてみると、スーププレートとカレーの看板を見つけた。美味しそうでは、と父を誘い、緑に囲まれた建物の中に入った。
大きなガラスに囲まれ、外の植物たちが店内を彩り、非常に落ち着きのある空間であった。どことなく、高校生の時に合唱コンクールで訪れた鎌倉芸術館を彷彿させる。ここで本を読みながら時々外を眺める、これをずっと繰り返したいなとふと思った。
店内には飲食スペースのほか、お洒落なジュースや雑貨の陳列スペースもあった。ゆずやまっちゃといった珍しい味の羊羹が置いてあったことをよく覚えている。
朝ご飯はカレーとコーヒー。カレーは絶妙にピリッと辛く、美味しかった。また具沢山でじゃがいもやニンジンがゴロゴロしていてしっかり食べ応えがあった。日頃、ご飯と根菜一品のみの味噌汁ばかり食べているため、沢山の食べ物がひとつに凝縮されている食事が久しぶりかつちょっと新鮮であった。コーヒーも非常に香りも味も良く、食後にゆっくり落ち着くことができた。
食後、GW故の混雑に巻き込まれることを避け、速めに帰宅した。次は夏辺りにもう少しじっくりと鎌倉を楽しみたい。